前編:高画質・大画面ディスプレーの適性解像度(基礎編)

指定解像度を入れられるようにするには?

ディスプレー、モニターにおける物理的なdpi解像度は機種ごとに固定(*1)なので、その解像度における適正距離も決まってきます・・・が、もし遠くから見られる場合は?

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粗い画像も離れれば気にならないっていうのは実感あるかと思いますが、例えば300dpi30cm離れて見るのが適正なのに対し、150dpiの場合は60cmが適正なのでないか、理由は上図。

という仮説から、距離が遠ければ必要解像度が下がる反比例の関係である前提で・・・

データサイズがわかるようにする

300dpiの時は”1inch = 300px”という前提で(細かく言うと色々ありますがここではDot = Pixelということで話を進めます。)

また、例えばWebと同等の解像度程度で十分な場合など、必ずしも印刷クォリティの300dpiも必要でない場合もあるので、”目標解像度(ターゲットdpi)”というものも設定します。ここはdpi72にしたいのか150なのか300なのか等、指定したい解像度をdpi単位で指定します。

データサイズ : 必要データサイズ(単位px)
= 物理的なモニター(ディスプレーサイズ)(単位cm) * 目標dpi

目標dpi * (実寸/2.54) = データサイズ

基準の300dpiは1inch(2.54cm)に対して300px必要となるので

300dpi*(2.54cm/2.54) = 300px

となり、仮説が成り立ちそう。

視認距離と解像度の関係性

300dpi の場合は距離 30cm で適切に観覧可能。150dpi の場合は距離 60cm で適切に観覧可能。上記のような反比例の関係性になるはずという仮定のもと、そろそろややこしいので変数を指定して

y = 目標解像度(dpi)
x = 実寸(物理的なモニターサイズ)(cm)
a = 必要データサイズ(px)x

これらを適用すると

目標dpi * (実寸/2.54) = データサイズ
y*x/2.54 = a

さらにこの式に前回の記事で考えた”距離”が隠れているとすると・・・データサイズ : 距離の関係上、基準点30cmで計算した場合は”1”、60センチ離れている場合は”1/2″になってほしいということで

z = お客さんとの距離(cm)
1 = 30/z

これをさっきの式に代入すると

a = (xy/2.54)*(30/z)
   = 30xy / 2.54z

以上で4つの変数それぞれを代入できる式が完成。

a = 必要データサイズ(単位px)
x = 物理的なモニター(ディスプレーサイズ)(単位cm)
y = 目標解像度(ターゲットdpi)
z = お客さんとの距離(単位cm)

一番必要になると思われるaを基準に

a= 30xy / 2.54z

という公式にしました。
エクセルでの自動計算表は下記より。

適性解像度計算表のダウンロードはこちらから

*1 “物理的な解像度は固定”といのは、ディスプレー内にいくつドットがあるか、LEDのピッチ数など技術的に限界もあり、ディスプレーのグレードなどにより各機種で設計されたものになります。 

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