海外でデザイナー始めました(6年目)なんてタイトル付けてるわりに海外生活について書いてないやん・・・ってことで、日本だと平均給与380万。デザイナーが海外に出るためにはどうなのか、すればいいのか、何が困るのかを実体験を元にリストアップ。

あくまで感覚なので
雇用形態、会社によって多少は変わると思います。

あと他に聞きたいことあったら
コメントでもメールでも連絡くれれば追記します。

海外でのデザイナーの扱い

そもそもの話。海外でると日本とどう違うのか。 アシスタントデザイナーでもない限り雇用主/依頼主はデザイナーのセンス/スキルにお金を払ってくれます = "君のいいと思うものを提案してくれ"というスタンスの人が多いです。もちろん修正etc入る場合もありますが"プロフェッショナル"(←ここで気負いしたら負け…な気がする)に一任する、というスタンスの人が多いです。修正も"マーケティング的観点"や"経営的観点"、"決裁・出資者の好み"などデザインそのものに対した具体的な修正ではなく、別の観点から”もっとこんな感じにしたいけどどうすればいいか”といったお伺い?のようなものが多く、具体的に"こうしてくれ"といった修正は稀です。ごく稀に1から10までコントロールしたいってクライアントさんもいますが・・・年1人会うかどうかなので遭遇率は日本と同じくらい?たぶん。

デザイン進行方法

そんなわけなのでデザインを見れる決裁者でもない限り、初校でフィニッシュワークに近いものが求められます(これは始め入っていた会社で失敗したところ)。日本式(?)のラフ製作/スケッチ/ワイヤーフレーム/サンプル(類似デザイン)などでの確認はほぼ無意味、最終カンプ作った段階でイメージと違うとひっくり返ります・・。とはいえラフが不必要という意味ではなく、それらは"提案/確認"っていう投げるカタチになるコミュニケーションで使うのではなく、めんどくさいけどブレスト・打ち合わせ時にその場で対話できるカタチで方向性の確認として見る・見せるようにし、初校提案時はほぼ最終形態のものを見せることが多いです(撮影ものもそれなりのクォリティで)。その後、修正などを確認・反映しつつ細部を仕上げて納品。ちなみに初校で方向が決まったにもかかわらず、ラフレベルまで修正が戻る場合は・・追加料金か依頼キャンセルなんてことが多いです。 ちなみに最初の会社で失敗したのは二つ。 一つ目はエディトリアル系のデザイン時。数ヶ月かけてラフ〜デザイントーン・台割を作り、原稿を用意し、、、全ページレイアウトしたら・・・全ページ修正が入りました。トーン決定時のサンプルと違う、と(内容・写真素材などの関係で一部レイアウトが変わってた)。で、今度むりやりサンプルのトーンに合わせると、単調・・・のエンドレス。今にして思えば40ページくらいのもの3冊だったので1冊全ページのサンプル〜仮製本を最初にやっておけば・・なんて後悔してます。 二つ目はロゴデザイン。デザイン系の会社のインハウスデザインで、オリエンが曖昧だったので案数を出して方向性を確認しようとラフスケッチ〜スケッチ〜Macでのラフデザイン〜と進めると・・・ここまでで3案くらいまで絞れてたはずが、最終調整時にラフスケッチに戻るレベルの修正が・・・エンドレス。これもスケッチ段階で出来上がりがイメージできていなかったようで、パソコンで製作したラフデザインで方向性探ればよかったなぁ・・と。

雇用・契約

これは個人的には白黒はっきりしていて好きなところで、期間(だいたい始めは1年)を決めて"契約"します。契約更新時は年収、雇用内容、作業内容などを再確認し、再契約。確認しない場合は、初回の契約時に契約内容にその旨を含めない限り2年目以降も同じ給与など同じ条件で働くことになります。

もろもろ雑務

例えば領収書。中国だと发票(FaPiao)、これは政府所定の用紙に政府の準備した印字機で印字したものが正式な領収書として受理され財務処理されます。逆に发票を発行できないとほぼ通常の仕事はできません。シドニーだと、個人事業主申請を行うことで納税し、Tax numberを持っていることでクライアントに信用される、らしい。などなど各国税制度、財務制度、などかなり違います。日本のように適当に領収書出しておけばいいわけでもない・・・。僕が中国・上海のその仕組みを理解するのに2年かかっちゃったりしましたが(誰も教えてくれないし・・)。他国については各自しっかり調べる必要あります。上海については聞かれたらわかる範囲でですが返答します。

言語の心配

これもケースバイケースで、英語くらいは話せたほうがいいですがスタッフが"日本語"話せるから、なんてケースもあります。僕も最初の会社(台湾)行った時はしどろもどろの英語のみ、中国語さっぱりわからなかったけど、面接時に中国語分からない、英語も怪しいといっていたこともありいろいろ親切に迎えてくれ、評価は成果物でされました。もちろん、プレゼン、説明の必要があるので共通言語を喋れるにこしたことはないと思いますが・・・中国でも英語/日本語で成立しちゃっていたので中国語はまだ・・。 また、とにかく海外に出たい!ってデザイナーは現地の日本人向けフリーペーパーのデザイナー募集を確認しましょう。日本でまっとうなデザイン経験を持つ方にはオススメしませんが、業務内容はほぼ日本語、スタッフもほとんど日本語喋れて、言語の面では困らないかと。

プライベート

外に出ましょう。僕も観光は嫌いだし、暇ならアニメ見ていたいけど・・・出ないと現地の人の生活が分からないので、極力外に出ましょう。どうしても日本人と外人の感性は違います。30代年収◯◯円くらいの人が行きそうなレストランに試しに行ってみたり、20代前半の多いクラブ、30代の金持ちの多いクラブ、と日本のクラブ、何が違うのか、どういう人達がいるのかなんて行ってみないと分からないので。現地の人を知ると、エアコン壊れたまま放置しちゃうのもこんな人達なら仕方ないよね〜・・・とか、ご飯だけはめっちゃうまい(まずい)のも・・・とかとか、慣れない海外生活のストレスを軽減するって意味でも効果的です。 他・・・思いついたらまた書きます。

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